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試験装置や観測機器などの精密装置・機器類に取り付けられているガラスは、内部と外部の温度差や湿度差により著しく曇ります。今回は、曇り・結露を解決する特殊ガラス『曇ランナシリーズ』を開発・製造している株式会社阪口文化堂を取材。ガラスの曇り・結露を防止するニッチな世界をご紹介します。
—— 阪口文化堂の得意とする「工業用の特殊ガラス」とは、いったいどんなガラスでしょうか?
弊社は、ストアなどで使われる食品用の冷蔵・冷凍ショーケース用ガラスから太陽光パネル用やディスプレイに使われるガラスなど、幅広い分野の工業用ガラスを製造しています。その中でも、過酷な温度や湿度差での耐久テスト用の試験装置や精密工作機械に使われる特殊ヒーターガラスを得意としています。
—— たとえば、どんな試験装置なんですか?
そうですね、自動車の走行テストなどが代表例です。自動車は、アフリカなどの日中は40度以上になる高温地域から北極圏のマイナス20度以下の低温地域、また高温多湿の東南アジア地域と、様々な環境下でも故障することなく走行できることが求められます。このような環境下での走行テスト用の大がかりな試験装置に設置される視認用の窓ガラスに弊社の特殊ヒーターガラスが採用されています。
—— 特殊ヒーターガラスの主な特長は?
弊社の特殊ヒーターガラスは、温度差や湿度差によって発生するガラスの曇り・結露を防止するところが最大の特長です。同時に、過酷な環境下においても破損しない構造と長期運用が可能な耐久性を備えています。
弊社の特殊ヒーターガラスは様々な装置、用途に使われています。近年、特に注目されているのが、監視カメラをはじめとする屋外で使用される小型装置の曇り・結露防止用ガラスです。現在も多種の装置の試作装置のテストを行っています。
阪口文化堂公式サイトにて、工業用特殊ガラスの詳細事例を公開中です。
—— ということは、個別開発の受注生産ですね。
試験装置・機器等に設置する特殊ヒーターガラスは、その目的や要求される機能・性能によって個別に設計・開発します。試作段階では、電力計算システムを使ったシミュレーションを何度も実施することにより、温度や湿度といった環境条件によって求められる最適な使用電力を割り出し、期待を越える特殊ヒーターガラスを提供しています。弊社では、この過酷な温度・湿度差での曇り・結露防止技術を『曇ランナシリーズ』としてブランド化しています。
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—— 『曇ランナシリーズ』の特長は何ですか?
曇ランナシリーズは用途別に「S」「R」「SL」の3シリーズを展開。この中で「曇ランナS」は、透明導電膜付ガラスの熱処理により-70℃〜100℃という最も過酷な温度・湿度環境下での曇りを解決します。
<特長>
-70℃〜100℃の広範な温度領域に対応
<用途> 納入実績
通信・情報機器、工作機械等の試験装置から水族館の展示用窓ガラスなど広範な用途に対応します。
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—— 『曇ランナS』は、いつ頃の開発ですか?
「曇ランナS」の開発がスタートしたのは、ちょうど2000年です。その一年後の2001年4月には試作初号機が完成。大手機械メーカー様への納入が最初です。
—— 開発のキッカケは?
「曇ランナS」に類似する曇り・結露防止用ガラスは、すでに大手ガラスメーカーさんでも開発されていたのですが、価格と納期の両面で折り合いがつかず導入のネックとなっていました。
このような事情もあって、ある機械メーカー様では海外のガラスメーカーに開発依頼。完成納入された曇り・結露防止ガラスでしたが、1年も経たずにガラスが割れる事故を起こしてしまいました。
この事故により安全性と耐久性を優先した製品を求められた結果、国産製品への切り替えを決断。弊社が製品開発を受託することとなりました。製品は設計から試作品による1年のテストを終え、品質の安全確認と量産品のコストダウンが実証されたことで、結露防止ガラス『曇ランナS』が誕生しました。
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—— 曇ランナシリーズの納入実績は?
曇ランナSは、試験装置や工作機械をはじめとして、水族館に展示されている冷凍シーラカンスの展示用ガラスにも採用されています。
曇ランナRは、リーチイン・ショーケース用のドアガラスとして広く採用されています。
また曇ランナSLは、高速道インターチェンジのETCゲート通過センサーのカバーガラスや屋内外の監視カメラなど、夏冬の寒暖差や暴風雨に耐える強度と耐久性を求められる機器に採用されています。
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—— 曇ランナは設計段階から関わってもらえますか。
試験装置や観測機器、精密工作機械は、基本的に個別受注生産です。お客様からは、機器・装置の開発設計段階からご相談をいただいております。
設計段階では、電力計算システムによるシミュレーションを実施して要求仕様を満たすための設計を行います。試作機が完成した段階では、動作テストを繰り返して期待を越える性能をめざします。
また、単品から量産まで、短納期を実現するフレキシブルな設計・製造体制を整備しています。
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阪口文化堂では、曇ランナシリーズの他にも多種多様なバリエーションの工業用特殊ガラスを受注製造しています。フィルムラミネート加工を施した断熱ガラス、飛散防止ガラスをはじめ、ショーウィンドウ用の装飾ガラスも手がけています。
生産体制についても、創業来70年以上にわたって築き上げたパートナーネットワークを有しており、大手マテリアルメーカーとの共同開発も実現。国内外メーカーの仕入れルートも確保し、ガラスにまつわるありとあらゆる難問や課題に対応可能です。
また、大阪と群馬の2拠点の製造ラインにより、納期を含めフレキシブルな要求に応える体制を敷いています。特にホコリの混入を許されない曇ランナは、独自の検査規定による徹底した品質管理のもと、万全の製造体制を設けています。阪口社長曰く「ガラスは、技術イノベーションに欠かせない存在です。そして、これから起こるデジタル革命においてもガラスの存在価値は高まってきます。阪口文化堂は、ガラスを通してより良い時代を創ることに貢献できるよう、今後も精一杯頑張ってまいります。」
MSP30007
〒571-0017 大阪府門真市四宮5丁目9番
TEL:072-882-3561 FAX:072-884-1551
E-mail:info@sss-glass.co.jp/
事業内容
工業用特殊硝子の製造及び販売
(複層硝子,ミラー,光学用ガラス,強化ガラス,合わせガラス)
<ISO>
登録証:登録番号EC14J0014
登録日 2014年9月24日
IS0 14001:2004